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特集 ホメオスタシスと腎臓
トピックス
ENaCによるナトリウム味の分子細胞機構
Molecular and cellular mechanisms of salt taste
樽野 陽幸
1
TARUNO Akiyuki
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科細胞生理学
キーワード:
味覚
,
塩味
,
チャネルシナプス
,
ENaC
,
CALHM
Keyword:
味覚
,
塩味
,
チャネルシナプス
,
ENaC
,
CALHM
pp.660-664
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000959
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はじめに
塩―塩化ナトリウム(NaCl)―は動物の歴史において特別な意味をもつ。初期の生命は高い塩分を含有する海で進化した。単細胞生物から多細胞動物への進化の過程で,NaClは細胞外液の主たる溶質となり,同時にさまざまな生理機能を担うようになった。例えば,体液ナトリウム含有量は総体液量および有効循環血液量を決定する。ナトリウムによる活動電位は神経と筋の興奮性を支えている。さらに,腸での栄養吸収と腎での再吸収も多くの場合ナトリウム輸送に共役している。このように,ナトリウムは必須ミネラルの1つとして知られている。
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