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特集 てんかん診療のパラダイムシフト――診断・治療・ケアの進歩
てんかん診療体制の進歩
Advances in epilepsy care systems
渡邊 さつき
1
Satsuki WATANABE
1
1埼玉医科大学病院 神経精神科・心療内科
キーワード:
てんかん地域診療連携体制整備事業
,
てんかん支援拠点病院
,
包括的てんかん専門医療施設
Keyword:
てんかん地域診療連携体制整備事業
,
てんかん支援拠点病院
,
包括的てんかん専門医療施設
pp.515-518
発行日 2025年11月8日
Published Date 2025/11/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295060515
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日本におけるてんかん診療は,小児科,脳神経内科,精神科,脳神経外科など幅広い診療科が関与する.治療も薬物治療から外科治療,基礎疾患や併存症の治療まで多様である.近年は “てんかんセンター” が各地に設立されたが,その定義は統一されておらず,地域格差も課題であった.こうしたなか,2017年に日本てんかん学会は “包括的てんかん専門医療施設” を定義し,2021年より施設認定を開始した.さらに2018年から厚生労働省の「てんかん地域診療連携体制整備事業」がはじまり,各都道府県にてんかん支援拠点病院を配置し,相談支援,啓発活動,研修を担っており,支援拠点病院のある都道府県は30まで増えた.これらの取り組みに加え,遠隔診療が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックを契機に進展し,特にD to P with D形式によるオンライン診療は,地域格差是正に有用と期待される.今後は専門医の偏在解消と,地域実情に応じた診療体制の構築が課題である.

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