Japanese
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特集 てんかん診療のパラダイムシフト――診断・治療・ケアの進歩
成人てんかん診断の進歩
Advances in the diagnosis of adult epilepsy
此松 和俊
1
,
神 一敬
1
Kazutoshi KONOMATSU
1
,
Kazutaka JIN
1
1東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野
キーワード:
てんかん診断
,
病歴聴取
,
長時間ビデオ脳波モニタリング(LTVEM)
,
神経画像検査
,
遺伝子検査
Keyword:
てんかん診断
,
病歴聴取
,
長時間ビデオ脳波モニタリング(LTVEM)
,
神経画像検査
,
遺伝子検査
pp.487-490
発行日 2025年11月8日
Published Date 2025/11/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295060487
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てんかんは脳の異常な同期活動により発作を生じる疾患で,人口の約0.6%が罹患する最も一般的な神経疾患のひとつである.診断の基本は病歴聴取であり,発作前後の経過や目撃情報が重要となる.近年はスマートフォンの普及により,発作動画の記録が診断精度を高める有用な手段となっている.脳波検査は外来脳波検査や長時間ビデオ脳波モニタリング(LTVEM)が標準であるが,在宅脳波モニタリングや皮下デバイスなど,新技術により自然な環境での長期記録が可能となった.脳磁図は高精度な焦点診断を可能にし,常温稼働型装置の開発が進んでいる.画像診断では高磁場MRIや定量的解析,PET・SPECTを組み合わせたマルチモーダル評価が有用で,AIによる微細病変検出も発展している.さらに次世代シークエンスやポリジェニックリスクスコア(PRS)による遺伝子解析は,精密医療への道を拓いている.これらの技術革新の臨床応用が誤診や診断遅延を減らし,個別化された診療を実現することが期待される.

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