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第1土曜特集 エピゲノム編集の進歩と医療応用への道
不活性型CRISPR-Casシステムを用いたエピゲノム編集ツール
Epigenome editing tools using dead CRISPR-cas systems
後藤 空吾
1
,
城所 聡
1
,
刑部 祐里子
1
Kugo GOTO
1
,
Satoshi KIDOKORO
1
,
Yuriko OSAKABE
1
1東京科学大学生命理工学院
キーワード:
CRISPR-Casシステム
,
dCas9
,
CRISPRa/i
Keyword:
CRISPR-Casシステム
,
dCas9
,
CRISPRa/i
pp.361-367
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295050361
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エピゲノム制御は,DNA配列に変化を与えずに遺伝子発現を精密に調節する機構であり,その異常はさまざまな疾患と関係することが明らかとなってきた.近年,CRISPR-dCasシステムを用いて,エピゲノム修飾を可逆的かつ標的特異的に変化させる技術の開発が進められている.特に,dCas9に転写因子やエピジェネティック修飾酵素を融合させることで,標的領域のDNAメチル化やヒストン修飾を自在に操作することが可能となり,疾患モデルの構築や治療応用への展開が期待されている.さらに,CRISPR-Cas9とは異なるCRISPR-Casシステムを用いた分子ツールの開発も進み,複数遺伝子の同時標的化やRNA修飾,多因子制御系の構築が可能となりつつある.本稿では,多様化するエピゲノム編集技術の現状と応用可能性について概説する.

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