Japanese
English
TOPICS 生化学・分子生物学
ミトコンドリアから細胞核への逆行性シグナルによるエンハンサーリモデリング
A retrograde signaling from mitochondria to nucleus triggers enhancer remodeling
日野 裕子
1
,
日野 信次朗
1
,
中尾 光善
1
Yuko HINO
1
,
Shinjiro HINO
1
,
Mitsuyoshi NAKAO
1
1熊本大学発生医学研究所細胞医学分野
pp.171-172
発行日 2023年7月8日
Published Date 2023/7/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28602171
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
核とミトコンドリアのクロストーク
ミトコンドリアはエネルギー産生と物質代謝を担う細胞内小器官であり,核ゲノムとは別に独自の遺伝情報(ミトコンドリアDNA:mtDNA)を保持している.しかしながら,ミトコンドリアタンパク質の90%以上は核ゲノムにコードされており,PGC-1αやNRF1などの複数の核内因子によって発現制御を受ける(核からミトコンドリアへの順行性経路)1).一方で,ミトコンドリアで合成されたアセチルCoAやS-アデノシルメチオニン,ATPなどの代謝物は核へ移行してDNAやヒストンの修飾(メチル化,アセチル化,リン酸化など)に利用される(ミトコンドリアから核への逆行性経路)2).このように,核とミトコンドリアは細胞の恒常性の維持や環境応答のために密に連携している.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.