Japanese
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特集 血管新生
培養内皮細胞の多様性
Multiplicity of the cultured endothelial cells
徳永 藏
1
Osamu Tokunaga
1
1佐賀医科大学病理学講座
pp.209-211
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900341
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I.形態の多様性
1.ヒト大動脈内皮細胞の形態
培養内皮細胞は形態学的に大きく2種類に分けられる。一つは培養内皮細胞の大部分を占め,直径50~70μm,類円形ないし多角形を示す小型細胞で“典型的内皮細胞”と言われる。この典型的内皮細胞は一層敷石状に増殖し,乳幼児や若年者大動脈およびあらゆる年代の静脈系内皮細胞の大部分を占める(図1)。他はより大型の細胞で直径100~200μmの範囲であるが,稀に250μm以上の巨細胞も混在して見られる。後者は通常2核以上の核を有し,“バリアント内皮細胞”あるいは“非典型的内皮細胞”とも呼ばれる1,2)。成人大動脈の内皮細胞の多くは前述の典型的内皮細胞からなるが,0~30%の割合でバリアント内皮細胞が出現する。その出現頻度は動脈硬化や加齢の程度に従って多くなる。バリアント内皮細胞出現の機序については推測の域を出ないが,この細胞が分裂能を有しないことから,何らかの細胞膜障害のために隣接細胞が癒合して形成されると考えられる。
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