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第1土曜特集 生体システムのレジリエンス――神経–免疫–内分泌連関から探る適応と修復のメカニズム
脊髄損傷における神経–臓器–免疫連関の病態
Neuro-organ-immune dysfunction in spinal cord injury
上野 将紀
1
Masaki UENO
1
1新潟大学脳研究所システム脳病態学
キーワード:
脊髄損傷
,
自律神経
,
生体恒常性
,
免疫
,
神経修復
Keyword:
脊髄損傷
,
自律神経
,
生体恒常性
,
免疫
,
神経修復
pp.24-28
発行日 2025年10月4日
Published Date 2025/10/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295010024
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中枢神経は,自律神経を中心に全身の器官の恒常性を維持する役割を有する.なかでも脊髄は,自律神経の下行路や末梢器官との入出力の回路を含有する中核的な組織であり,損傷を受けてこれらの回路が破綻すると,各器官や免疫系の機能が障害され,生体恒常性が破綻していく.本稿では,神経と器官,免疫系をつなぐ脊髄の損傷が,生体恒常性の破綻につながる病態とそのメカニズムについて,動物モデルの知見を含めて概説する.病態メカニズムが明らかになるにつれ,神経,臓器,免疫系の連関で成り立つ生体システムの実体がみえてくる.生体恒常性を根本から回復するには,損傷した神経路の再建や神経活動の適切な制御が必要であり,その治療研究の現状も紹介する.

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