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第1土曜特集 生体システムのレジリエンス――神経–免疫–内分泌連関から探る適応と修復のメカニズム
神経回路の修復における末梢臓器由来因子の役割
Role of peripherally derived circulating factors in central nervous system regeneration
米津 好乃
1,2
,
三澤 日出巳
2
,
村松 里衣子
1
Yoshino YONEZU
1,2
,
Hidemi MISAWA
2
,
Rieko MURAMATSU
1
1国立精神・神経医療研究センター神経研究所神経薬理研究部
2慶應義塾大学大学院薬学研究科薬理学講座
キーワード:
中枢–末梢連関
,
血管
,
液性因子
,
加齢
Keyword:
中枢–末梢連関
,
血管
,
液性因子
,
加齢
pp.19-23
発行日 2025年10月4日
Published Date 2025/10/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295010019
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中枢神経系が傷害されると,多様な神経機能が損なわれる.失われた機能を回復するためには,傷害された神経回路を修復することが有効と考えられてきた.これまでの研究では,神経回路の修復は,病巣部に備わる分子群により妨げられることが示された.一方で,修復を促進する分子群も存在することが明らかとなり,病巣部の細胞外環境に着目した神経回路の修復制御機構の解明が進められてきた.さらに近年,疾患や加齢により脳の血管バリア機能が低下し,末梢臓器由来因子が血液を介して中枢神経系内の細胞に作用する仕組みに着目し,末梢臓器が中枢神経系の神経回路の修復を制御する仕組みも明らかにされている.本稿では,筆者らのこれまでの末梢臓器由来因子による中枢神経系の神経回路修復制御機構に関わる分子群の紹介に加え,これまでに報告された神経回路修復に関わる機序について概説する.

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