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第1土曜特集 生体システムのレジリエンス――神経–免疫–内分泌連関から探る適応と修復のメカニズム
多病における免疫系・神経系による臓器間連携機序
Organ system crosstalk in multimorbidity
真鍋 一郎
1
Ichiro MANABE
1
1千葉大学大学院医学研究院疾患システム医学
キーワード:
慢性炎症
,
心不全
,
慢性腎臓病
,
心腎連関
,
自然免疫記憶
Keyword:
慢性炎症
,
心不全
,
慢性腎臓病
,
心腎連関
,
自然免疫記憶
pp.29-34
発行日 2025年10月4日
Published Date 2025/10/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295010029
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高齢化とともに多病の患者数は増加している.多病は治療や管理をさらに困難とすることから,多病をもたらす機序や,多病を直接対象とする予防・治療法の開発が求められている.疾患の間で密接な連関があることは,臨床的には多くの疾患で明らかとなっているが,その背景にある機序の理解は不十分である.本稿では,免疫系と神経系に着目して,これらが臓器の応答を連携させ,ストレスへの適切な応答をもたらす一方で,どのようにして疾患の拡大や相互作用による増悪をもたらすかを紹介する.免疫系では,造血幹細胞から末梢のマクロファージまで,特に自然免疫系の細胞が重要な役割を担うことが明らかとなっている.臓器間連携機序の理解は,まったく新しい治療戦略の開発につながるであろう.

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