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特集 周産期メンタルヘルス――プレコンセプションケアから地域リエゾンまで
精神疾患合併妊娠における臨床倫理コンサルテーション
The roles of clinical ethics consultation in pregnancies with psychiatric comorbidities
須田 哲史
1
Tetsufumi SUDA
1
1国家公務員共済組合連合会立川病院精神神経科
キーワード:
精神疾患合併妊娠
,
臨床倫理コンサルテーション(CEC)
,
倫理4原則
,
4分割表
Keyword:
精神疾患合併妊娠
,
臨床倫理コンサルテーション(CEC)
,
倫理4原則
,
4分割表
pp.1236-1240
発行日 2025年9月27日
Published Date 2025/9/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294131236
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精神疾患合併妊娠の診療の場では,妊婦自身や家族,医療従事者に高度な倫理的判断が要求されることが少なくない.そういった際に活用できる仕組みが,臨床倫理コンサルテーション(CEC)である.CECでは多職種が協働し,倫理4原則(自律尊重,無危害,善行,正義)を軸に状況を整理したうえで,倫理的判断に関する助言を行う.倫理4原則は互いに補完しあう一方,臨床場面ではしばしば衝突する.これらの複雑な状況を整理するためによく用いられるツールが4分割表である.本稿では,架空症例として被虐待歴および精神疾患を有する若年女性が中期人工妊娠中絶を希望し来院した例を用い,CECの動きおよび4分割表を示し,どのような要素が倫理的課題を生じさせるかを提示する.精神疾患合併妊娠で生じうる倫理的課題は他にも多岐にわたるが,いずれの場合もCECは合意形成に有用と考えられ,関係する医療従事者は誰でも容易に利用できることが望ましい.

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