Japanese
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特集 感覚器フレイルの予防と対策
平衡覚フレイル
-――加齢性前庭障害の診断と意義
Presbyvestibulopathy and its role on vestibular frailty
堀井 新
1
Arata HORII
1
1新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
加齢
,
体平衡
,
認知機能
,
前庭リハビリテーション(平衡訓練)
Keyword:
加齢
,
体平衡
,
認知機能
,
前庭リハビリテーション(平衡訓練)
pp.1058-1063
発行日 2025年9月13日
Published Date 2025/9/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294111058
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めまいの国際学会であるBarany Societyは,加齢による平衡機能低下をpresvyvestibulopathy(加齢性前庭障害)として定義し,高齢者のふらつきを疾患として確立することで,その予防や治療の発展を推進してきた.高齢者では,両側前庭機能低下と相関して,立位保持や歩行などの身体機能ならびに認知機能が低下する.めまい患者に対しては前庭リハビリテーション(平衡訓練)により,めまいの改善のみならず認知機能も改善させうることが報告されている.高齢者のふらつきは,前庭機能だけでなく下肢筋力や視覚,体性感覚を含む全身の機能低下によると考えられる.高齢者の前庭機能へリハビリテーション介入をすることにより,転倒や寝たきり,フレイルを予防したり,認知機能低下を予防・回復したりできるかどうか,検討すべき重要課題と考えられる.

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