Japanese
English
特集 頻尿に潜む病態を見破る
過活動膀胱・頻尿とフレイル・認知機能低下との関係
Relationship between overactive bladder/frequent urination and frailty/decreased cognitive function
三井 貴彦
1
,
吉良 聡
1
,
澤田 智史
1
Takahiko MITSUI
1
,
Satoru KIRA
1
,
Norifumi SAWADA
1
1山梨大学大学院総合研究部泌尿器科学講座
キーワード:
過活動膀胱
,
フレイル
,
認知機能
,
抗コリン薬
,
β3アドレナリン受容体作動薬
Keyword:
過活動膀胱
,
フレイル
,
認知機能
,
抗コリン薬
,
β3アドレナリン受容体作動薬
pp.178-182
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28503178
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フレイルは,加齢に伴ってさまざまな臓器の機能低下が生じ脆弱性が亢進した状態である.そのため,フレイルの高齢者では何らかの外的ストレスに曝露された場合にさまざまな合併症が生じる可能性が高くなる.一方,認知機能低下についても,超高齢社会を迎えたわが国では年々増加しており,大きな問題のひとつである.近年,フレイルや認知機能低下と,頻尿や尿失禁などを呈する過活動膀胱との関連性が報告されている.そのため過活動膀胱の治療の際には,治療薬としてはβ3アドレナリン受容体作動薬と抗コリン薬がともに有効性と安全性について十分に検討されており,第一選択薬として広く使用されている.しかし,抗コリン薬は認知機能低下症例が報告されていることもあり,β3アドレナリン受容体作動薬を優先することが勧められる.このように,過活動膀胱患者のなかにはフレイルや認知機能低下を伴う患者が少なくないことを認識して診療にあたることが望ましい.
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