Japanese
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特集 めまい――治療と研究の最前線
両側前庭障害に対するノイズ前庭電気刺激治療の開発
Development of a novel treatment using noisy galvanic vestibular stimulation for patients with bilateral vestibulopathy
岩﨑 真一
1
Shinichi IWASAKI
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
両側前庭障害
,
前庭電気刺激
,
体平衡
,
確率共振
,
前庭リハビリテーション
Keyword:
両側前庭障害
,
前庭電気刺激
,
体平衡
,
確率共振
,
前庭リハビリテーション
pp.219-222
発行日 2022年7月16日
Published Date 2022/7/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28203219
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前庭代償により自然回復が期待される一側前庭障害と異なり,両側前庭障害では慢性めまいが持続し,有効な治療がないのが実情である.筆者のグループでは,微弱なノイズ様の電流を耳後部より与えることによって,残存する前庭神経機能を底上げし,両側前庭障害患者の体平衡機能を改善するノイズ前庭電気刺激(ノイズGVS)装置の開発を進めている.これまでの行った臨床試験で,ノイズGVSは両側前庭障害患者の体平衡機能を刺激中のみならず,刺激終了後も数時間にわたって改善可能なことが判明している.また,ノイズGVSは両側前庭障害患者の体平衡機能のみならず,歩行機能も改善することを明らかにしている.現在,ノイズGVSの実用化を目指して,医師主導治験を進めている段階にある.ノイズGVSは外科的手術などの侵襲を伴わず,簡便な機器によって両側前庭障害患者の静的および動的な体平衡機能を改善することが可能な機器であり,早期の実用化が望まれる.
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