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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管研究のフロンティア
再構成解析系を駆使した血流による血管新生の生体力学機序の解明
Elucidation of the biomechanical mechanism of angiogenesis by blood flow using a reconstitution analysis system
西山 功一
1
Koichi NISHIYAMA
1
1宮崎大学医学部機能制御学講座血管動態生化学分野
キーワード:
血管新生
,
血流
,
力学刺激
,
マイクロ流路デバイス
,
血管内皮細胞運動
Keyword:
血管新生
,
血流
,
力学刺激
,
マイクロ流路デバイス
,
血管内皮細胞運動
pp.1093-1098
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131093
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血管新生は,既存の血管から新たな血管が出芽的に出現し,血管網を増生する生体反応である.個体発生から成体での病態形成まで,さまざまな生命現象に関与する.新生した血管にはすぐに管腔構造が形成されて血液が流れ込むため,血管壁は常に血流に曝されている.新生血管には,血管内腔圧と,それに伴い血管が拡張することで生じる血管壁伸展張力が主に負荷される.最近,マイクロ流路デバイス上に血管新生と血流を模す灌流系とを同時に再現させる技術を用いて,血管新生への血流作用を再構成的に解析することが可能になり,その知見が徐々に集まりはじめてきた.筆者らは,同解析系を応用して,血管内腔圧と血管壁伸展作用を特異的に解析できる独自の方法論を構築した.それにより,血流による血管内腔圧の上昇に伴い血管が拡張することにより生じる血管壁の伸展は,血管内皮細胞の移動を減弱させ,血管伸長を抑制する,新たな血管新生抑制作用を持つことが明らかになった.
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