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特集 神経回路の機能発達と障害――基礎研究からヒト病態へ
自閉スペクトラム症モデルマウスにおける神経回路機能障害
Dysfunction of neural circuits in autism spectrum disorder model mice
中澤 敬信
1
Takanobu NAKAZAWA
1
1東京農業大学生命科学部バイオサイエンス学科
キーワード:
自閉スペクトラム症
,
de novo変異
,
ヒト型疾患モデルマウス
,
社会性行動
Keyword:
自閉スペクトラム症
,
de novo変異
,
ヒト型疾患モデルマウス
,
社会性行動
pp.1216-1220
発行日 2025年6月28日
Published Date 2025/6/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293131216
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自閉スペクトラム症は,社会的相互作用やコミュニケーションの障害などを中核症状とする神経発達障害のひとつである.中核症状に対する薬剤は存在しておらず,新規の創薬が求められているが,自閉スペクトラム症の分子病態には不明な点が多く残されている.近年,健常人である両親には存在せず,患者(その両親の子ども)に新たに生じるde novo変異の研究が精力的に行われており,多数の疾患関連遺伝子が同定されている.これまでに,疾患と強く関連することが期待されている疾患関連遺伝子に関するモデルマウスを用いた神経回路研究が精力的に実施されてきた.本稿では,これまでに明らかにされてきた疾患に関わる神経回路レベルの知見を概説する.先進的な技術を用いた神経回路研究により,自閉スペクトラム症に関わる神経基盤のみならず,創薬につながる基礎データが得られるものと期待される.

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