Japanese
English
特集 小脳研究の未来
Ⅳ.病態
自閉スペクトラム症と小脳
The role of cerebellum in autism spectrum disorders
石田 綾
1
Ito-Ishida Aya
1
1慶應義塾大学医学部生理学
キーワード:
自閉スペクトラム症
,
小脳
,
モデルマウス
Keyword:
自閉スペクトラム症
,
小脳
,
モデルマウス
pp.74-77
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201314
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自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;ASD)は,コミュニケーションの障害,繰り返す行動と,限定的な興味を特徴とする発達障害である。ASDには遺伝的要因が強く関係し,多くの関連遺伝子が同定されている。各遺伝子の機能解析が進む一方で,脳のどの領域のどのような異常がASDの中核症状につながるのかについては,未解明な点が多い。このなかで,運動制御を担う小脳がASDにも関与する可能性が報告され,注目を集めている。また,近年は小脳が高次機能にも関与することが認知され,小脳がASDのみでなく様々な精神神経疾患に関与する可能性も議論されている。本稿では,小脳が高次機能に及ぼす影響について概説し,ASDと小脳の関係についてモデルマウスを用いた最近の研究動向をまとめる。
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