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第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
疾患別マルチオミクス解析の最新動向
【がん】
マルチオミクス解析が切りひらく乳がんの個別化医療
Multi-omics analysis paving the way for personalized medicine in breast cancer
西村 友美
1,2
Tomomi NISHIMURA
1,2
1日本赤十字社福井赤十字病院外科
2京都大学大学院医学研究科乳腺外科
キーワード:
マルチオミクス解析
,
乳がん
,
個別化医療
Keyword:
マルチオミクス解析
,
乳がん
,
個別化医療
pp.811-817
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090811
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近年のマルチオミクス解析,シングルセル解析,空間解析の技術向上に伴い,多彩な疾患の集まりである乳がんの生物学的特性の理解が進んでいる.患者一人ひとりに治療効果と生活の質の両方を維持しながらより最適な医療を提供することを目指して,乳がんを細かく分類して,正確に治療効果や予後を予測するためのバイオマーカーの探索が広く行われている.治療への耐性獲得の機序の解明も進んでおり,数々の標的治療薬の実用化につながっている.マルチオミクス解析は発がんメカニズムの解明にも貢献しており,乳がんの発生・進展に関わる新たな知見がいくつも得られている.マルチオミクス解析は,より精密で効果的な乳がんの個別化医療を構築していくために欠かせないツールのひとつになっており,さらなる発展が期待される.

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