Japanese
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特集 少子化時代の妊孕性温存療法
不妊診療におけるPRP治療
-――PRP子宮腔内投与/卵巣投与
Autologous platelet-rich plasma(PRP)therapy for assisted reproduction
――Intrauterine infusion and intraovarian injection of PRP
髙見澤 聡
1
,
堀川 隆史
1
,
杉山 力一
1
Satoru TAKAMIZAWA
1
,
Takashi HORIKAWA
1
,
Rikikazu SUGIYAMA
1
1杉山産婦人科新宿
キーワード:
PRP(多血小板血漿)
,
子宮内膜菲薄
,
反復不成功・着床不全
,
卵巣機能低下
Keyword:
PRP(多血小板血漿)
,
子宮内膜菲薄
,
反復不成功・着床不全
,
卵巣機能低下
pp.315-319
発行日 2025年4月26日
Published Date 2025/4/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293040315
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PRP(多血小板血漿)治療は,血小板内に含まれるさまざまな成長因子が持つ創傷治癒・組織修復作用を利用した再生医療である.不妊領域では,生殖補助医療(ART)での子宮内膜菲薄例および反復不成功・着床不全例に子宮腔内投与が,卵巣機能低下例に卵巣投与が行われており,世界的に良好な結果(内膜厚改善,着床・妊娠率改善,卵巣機能改善,ART治療成績改善など)が報告されている.当院では子宮内膜菲薄例および反復不成功例に子宮腔内投与を行い,良好な成績を得ている.特に子宮内膜菲薄例において,PRP投与後に内膜肥厚がない症例でも内膜肥厚例と同等の妊娠が得られるため,PRPは着床能を改善する可能性が示唆された.PRP治療は対象の診断基準や治療プロトコールに統一性がなく,RCT・メタアナリシスも限定的であるため,いまだ確立された治療法ではないが,他に有効な治療のない子宮内膜菲薄例および反復不成功・着床不全例や卵巣機能低下例に対する治療選択肢となりうる.

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