Japanese
English
特集 肉ばなれの病態と治療
肉ばなれにおけるPRP療法
Platelet rich plasma therapy for the muscle strain injury
服部 幹彦
1
,
宇都宮 啓
2
,
内田 宗志
2
Mikihiko HATTORI
1
,
Hajime UTSUNOMIYA
2
1医療法人社団 山手クリニック
2産業医科大学若松病院,整形外科
キーワード:
Muscle strain injury
,
Platelet rich plasma therapy
,
Return to sports
Keyword:
Muscle strain injury
,
Platelet rich plasma therapy
,
Return to sports
pp.375-382
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001238
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:多血小板血漿(PRP)療法は,患者の自己血より血小板が豊富に含まれる血漿を抽出し,血小板に含まれる成長因子の作用を効果的に用いて治癒機転を促進させる治療である。近年,国内でも整形外科領域の疾患の治療に用いられるようになった。肉ばなれに対する治療効果は,競技復帰の短縮につながるといった効果的な報告がある一方,否定的な見解もみられる。PRPの調整方法,活性化,投与方法,後療法が異なり,未だ十分な検討がなされていない。本稿では,奥脇らの提唱するMRIによる損傷部位および軟部組織の損傷程度で分類した肉ばなれの42例についてPRP療法を行い,安全性,競技復帰期間について検討した。結果として,有害事象はみられなかったが,奥脇分類Ⅱ型の2例において,隣接する筋組織に二次損傷がみられた。諸家の報告と比較し,競技復帰期間が短縮された結果が得られ,PRPは肉ばなれの治療の一助となりうると考えられた。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.