Japanese
English
第5土曜特集 脳科学研究が推進する うつ病の病態・診断・治療の発展
診断
うつ病の音声バイオマーカー
Voice biomarker for depression
徳野 慎一
1,2
,
樋口 政和
2
,
中村 光晃
1
Shinichi TOKUNO
1,2
,
Masakazu HIGUCHI
2
,
Mitsuteru NAKAMURA
1
1神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科
2東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻
キーワード:
音声バイオマーカー
,
デジタルバイオマーカー
,
うつ病
Keyword:
音声バイオマーカー
,
デジタルバイオマーカー
,
うつ病
pp.1134-1138
発行日 2025年3月29日
Published Date 2025/3/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292131134
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音声バイオマーカーは簡便かつ非侵襲に遠隔から測定でき,特殊な機器が不要でコストが抑えられるため応用範囲が広いことから,筆者らはうつ病の音声バイオマーカーの開発を行ってきた.最初に音声感情認識技術を用いて,音声に含まれる感情成分(喜び,哀しみ,怒り,平穏)の割合と興奮の程度から抑うつ症状を判定する音声バイオマーカーを開発した.1回の音声から得られる指標を “元気圧”,“元気圧” の2週間の平均とばらつきから得られる指標を “活量値” と命名した.これらを相互に利用することで,現在の心の状態が可視化された.特に有効なのは “活量値” を用いたモニタリングで,個人の心の健康の変化を捉えることに成功した.さらにスクリーニング精度を向上させるため,感情を用いない音声解析による新たな指標 “MDDI(major depression discrimination index)” を開発した.MDDIの開発時の検証結果は十分に満足できるもので,今後,検証を重ねることでより堅牢な指標へ改良していきたい.
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