Japanese
English
連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.14
表在性十二指腸腫瘍に対する新規術式の開発
-――内視鏡+腹腔鏡手術+細胞シート医療=?
Development of a new surgical technique for superficial duodenal tumors
――Endoscopy+laparoscopic surgery+cell sheet technology=?
金高 賢悟
1
,
東 美樹
1
,
江口 晋
2
Kengo KANETAKA
1
,
Miki HIGASHI
1
,
Susumu EGUCHI
2
1長崎大学大学院消化器再生医療学
2同移植・消化器外科
キーワード:
腹腔鏡下手技
,
細胞シート
,
表在性十二指腸腫瘍
Keyword:
腹腔鏡下手技
,
細胞シート
,
表在性十二指腸腫瘍
pp.995-1002
発行日 2025年3月22日
Published Date 2025/3/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292120995
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SUMMARY
基礎研究の進歩によって細胞の性質が理解され,また,培養技術の向上に伴って,さまざまな細胞療法が開発されている.損傷した組織,臓器を修復するための細胞を用いた再生医療の発展はめざましい.わが国においては,YamanakaらがiPS細胞を開発して以降,再生医療関連の法整備が進み,再生医療等製品として承認されたものは19品目に上る.これらには細胞シート製品が多く含まれているが,消化器疾患を対象とした腹腔内で用いる製品はない.
筆者らは,大動物実験によるPOC取得の後,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと,医師主導治験として,表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍に対する腹腔鏡内視鏡合同手術における自己骨格筋由来細胞シートの探索的治験を行った.これは,穿孔するリスクの高い内視鏡的粘膜剝離術後の菲薄化した十二指腸壁に,漿膜面より自己骨格筋由来細胞シートを貼付し穿孔を予防するものである.低侵襲な腹腔鏡手術手技を用いて細胞シートを腹腔内に移植した世界ではじめての成功例(First-in-Human)であり,その手技の確立と安全性を確認した.

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