特集 表在性十二指腸腫瘍の新展開
表在性十二指腸腫瘍の低侵襲治療 十二指腸ESD
小山 恒男
1
,
高橋 亜紀子
,
福山 知香
1長野県厚生農業協同組合連合会佐久総合病院佐久医療センター 内視鏡内科
キーワード:
Hyaluronic Acid
,
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
出血-術後
,
病巣内投与
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Injections, Intralesional
,
Duodenal Neoplasms
,
Hyaluronic Acid
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Postoperative Hemorrhage
,
Duodenoscopy
pp.1055-1060
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019334146
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ESDは消化管表在癌に対する第一選択手技となったが、十二指腸は筋層が薄く操作性が悪い、という技術的なハードルに加え、膵液・胆汁曝露による後出血、遅発性穿孔という術後管理の難しさを伴うことから、十二指腸ESDはいまだに普及していない。十二指腸ESDを安全に施行するためには、(1)スコープの選択、(2)先端透明フードの選択、(3)糸付きクリップによるトラクション確保、(4)血管処理による出血予防、(5)遅発性穿孔予防のための創閉鎖が重要である。本稿では具体例をあげてこれらのコツを解説する。十二指腸ESDは根治性の高い優れた手技であるが、操作性が悪い、線維化が高度、完全縫縮が困難と、きわめて難易度の高い手技である。安易な心構えで良好な結果は得られないため、十分な機材と経験を有するハイボリュームセンターでの施行が望まれる。
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