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特集 科学的根拠に基づくがん検診UPDATE 2025
肺がん検診
Lung cancer screening in Japan
佐川 元保
1
Motoyasu SAGAWA
1
1東北医科薬科大学医学部呼吸器外科
キーワード:
肺がん検診
,
有効性評価
,
精度管理
,
胸部X線
,
低線量胸部CT
Keyword:
肺がん検診
,
有効性評価
,
精度管理
,
胸部X線
,
低線量胸部CT
pp.966-970
発行日 2025年3月22日
Published Date 2025/3/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292120966
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社会的リソースを大きく消費する “がん検診” においては,信頼性を担保することが重要であり,科学的根拠に基づく評価が必須である.現在のわが国の “肺がん検診” では,現行法(胸部X線検査と喀痰細胞診の併用法)と低線量胸部CT検診のみが,相応の科学的根拠を有した検診である.前者については,わが国における複数の症例対照研究で有効性が確認され,国が推奨するがん検診のひとつと位置づけられているが,受診の効果は1年しか続かないことが判明している.後者については,欧米での無作為化比較試験で重喫煙者に対する有効性が確認されたが,望ましい検診間隔をはじめ,日本への導入を検討するにあたっては不明な部分が非常に多いため,これらに関する実装研究を進める必要がある.一方,非/軽喫煙者に対する有効性の証拠は不十分であり,まずは有効性の確認のための研究を完遂させる必要がある.

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