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第1土曜特集 不眠症──研究・診療の最新知識
不眠症の鑑別
睡眠・覚醒相後退障害,非24時間睡眠・覚醒リズム障害
Delayed sleep-wake phase disorder and non-24-hour sleep-wake rhythm disorder
廣瀬 真里奈
1
,
北島 剛司
1
Marina HIROSE
1
,
Tsuyoshi KITAJIMA
1
1藤田医科大学医学部精神神経科学講座
キーワード:
睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)
,
非24時間睡眠・覚醒リズム障害(N24SWD)
,
概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)
Keyword:
睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)
,
非24時間睡眠・覚醒リズム障害(N24SWD)
,
概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)
pp.966-970
発行日 2022年6月4日
Published Date 2022/6/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28110966
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体内の概日リズムが地球環境の24時間周期に同調できず,社会・日常生活に支障をきたす障害を概日リズム睡眠・覚醒障害(circadian rhythm sleep−wake disorder:CRSWD)という.CRSWDのなかでも,個人の同調能力の問題により,入眠・覚醒困難のため事例化しやすいものが,睡眠・覚醒相後退障害(delayed sleep−wake phase disorder:DSWPD)と非24時間睡眠・覚醒リズム障害(non−24−hour sleep−wake rhythm disorder:N24SWD)である.特に中高生を含めた若齢者に好発するため,この年代が入眠困難を訴えた場合はCRSWDを疑って診察をすることが大切である.病態は依然十分解明されていないが,近年中枢時計の同調障害が主因ではない一群の存在が指摘されている.CRSWDの診断は睡眠日誌などにより行い,治療はメディア使用や体内リズムに関する教育を含めた睡眠衛生指導,メラトニン受容体作動薬などの投与や高照度光療法などの時間生物学的介入を組み合わせて行う.CRSWDは,気分障害,神経発達症の併存や不登校などが背景にあることも多く,これらをあわせて評価し対処することも重要である.
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