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特集 肝疾患の早期発見・早期治療の要となる肝機能検査
肝疾患の早期発見・早期治療に向けたGGTの有用性
Usefulness of GGT for early detection and treatment of liver disease
田畑 優貴
1
Yuki TAHATA
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
胆汁うっ滞
,
アルコール
,
酸化ストレス
,
肝発がん
,
飲酒マーカー
Keyword:
胆汁うっ滞
,
アルコール
,
酸化ストレス
,
肝発がん
,
飲酒マーカー
pp.210-214
発行日 2025年1月18日
Published Date 2025/1/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292030210
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GGTは飲酒や胆汁うっ滞で上昇するため,日常臨床では主に肝・胆道系疾患のスクリーニングに用いられている.近年ではウイルスが制御あるいは排除されているウイルス性肝疾患における肝発がん予測マーカーとしての有用性も報告されており,GGTは肝疾患診療において重要なバイオマーカーのひとつである.しかし,GGTはある種の薬剤やメタボリック症候群などの全身性疾患でも上昇し,酸化ストレスマーカーとしての役割も認められるため,疾患特異性は低い.GGT上昇を認めた場合は,他の肝胆道系酵素の測定や腹部画像検査に加え,病歴や併存疾患の確認が重要である.また,GGTは代表的な間接的飲酒マーカーであるが,飲酒してもGGTが上昇しないノンレスポンダーが一定数存在する.わが国で増加しているアルコール性肝障害患者の診療において,%CDT(糖鎖欠損トランスフェリン/トランスフェリンフェラーゼ比)や,保険承認されていないがエチルグルクロニドなどの直接的飲酒マーカーも含めた検討が必要である.
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