増刊号 臨床化学実践マニュアル
II.日常検査における異常値への対応
6.酵素成分
(5)GGT,LAP,5'-NU
平子 隆夫
1
1浜松医科大学医学部附属病院検査部
pp.132-133
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901512
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はじめに
γ-グルタミルトランスペプチダーゼ〔(5-glutamyl)-peptide:amino-acid 5-glutamyltransferase EC 2.3.2.2;GGT(=γ-GTP)〕,アリルアミダーゼ(microsomal α-aminoacyl-peptide hydrolase EC 3.4.11.2;LAP),5'-ヌクレオチダーゼ(5'-ribonucleotide phosphohydrolase EC 3.1.3.5;5'-NU)の3つの酵素は,いずれも胆道系の膜に豊富に存在する酵素で,臨床的には胆管,胆道の閉塞,炎症に際して血清中に上昇する.胆管の膜のほかに,腎尿細管にも局在するが,尿細管障害ではNAGを優先させるのであまり用いられなかった.尿中で測定されているアラニンアミノペプチダーゼは,このLAPと同じものと考えられている.最近では親和性の高い基質が開発されて,従来のように透析などの前処理なしに測定されるようになり,日常分析にNAGと同じような簡便さが保証されてきている.
さて,この3つの酵素が異常を呈する場合は,以下の例であろう.
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