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第1土曜特集 ゲノム解析時代の血液腫瘍学
はじめに
Introduction
片岡 圭亮
1,2
Keisuke KATAOKA
1,2
1慶應義塾大学医学部血液内科
2国立がん研究センター研究所分子腫瘍学分野
pp.1-1
発行日 2025年1月4日
Published Date 2025/1/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292010001
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- Abstract 文献概要
この10~15年の間に,高速かつ安価に網羅的なゲノム情報の解析を可能にした次世代シークエンシングにより,さまざまながんにおけるゲノム異常の全体像が明らかになり,がんの発生メカニズムの解明や治療標的となるドライバー遺伝子異常の同定など,がんゲノム領域の研究はめざましい進展を遂げた.その技術・知識の臨床応用として,わが国では2019年に固形がんを対象とした遺伝子パネル検査が医療保険の適用対象となり,日常臨床でがんゲノム医療の提供が開始されている.一方,造血器腫瘍における遺伝子パネル検査の開発やゲノム医療体制の構築は大きく立ち遅れていた.しかし,着実に進展は認めており,造血器腫瘍におけるゲノム異常の臨床的有用性に関して,2018年に日本血液学会より「造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン」が公表されている.さらに2024年3月には,造血器腫瘍を対象とした遺伝子パネル検査の販売承認申請が行われ,ついに造血器腫瘍におけるゲノム医療が実現されようとしている.
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