Japanese
English
連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.4
脂肪幹細胞を用いた末梢動脈閉塞症に対する治療効果
Therapeutic effects of adipose-derived regenerative cells on peripheral arterial disease
清水 優樹
1
,
室原 豊明
1
Yuuki SHIMIZU
1
,
Toyoaki MUROHARA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
脂肪幹細胞
,
治療的血管新生
,
重症虚血肢(CLI)
,
多施設共同臨床試験
Keyword:
脂肪幹細胞
,
治療的血管新生
,
重症虚血肢(CLI)
,
多施設共同臨床試験
pp.1055-1060
発行日 2024年12月14日
Published Date 2024/12/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291111055
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SUMMARY
重症虚血肢(CLI)を有する患者は,安静時疼痛や難治性の虚血性皮膚潰瘍を伴い,いずれも治療抵抗性であるが,放置すると患肢切断が余儀なくされ,日常生活の質が著しく低下する.また,このような患者は生命予後も悪いことも知られている.筆者らが開発から普及に積極的に取り組んでいる「血管再生療法」とは,虚血組織において毛細血管レベルでの血管再生を人為的に促進させる治療であり,CLIに対しては,従来の治療法では救肢が不可能な症例への新規治療として期待されている.
ヒト皮下脂肪組織中には,多分化能を有する脂肪組織由来間葉系前駆細胞(ADRC)が含まれることが報告されて以来,筆者らはこのADRCを用いた血管新生療法の開発に取り組んでいる.今回,CLIに対して「脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた血管再生療法」の全国8施設での多施設共同臨床研究を行い,治療の有効性と安全性を評価したので紹介する.
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