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特集 SGLT2阻害薬を再考する――機序・効果・安全性の最新情報
SGLT2阻害薬と腎臓保護
Renoprotective effect of SGLT2 inhibitors
久米 真司
1
Shinji KUME
1
1滋賀医科大学医学部糖尿病内分泌・腎臓内科
キーワード:
アルブミン尿
,
推算糸球体濾過量(eGFR)
,
eGFR低下速度
Keyword:
アルブミン尿
,
推算糸球体濾過量(eGFR)
,
eGFR低下速度
pp.1044-1048
発行日 2024年9月21日
Published Date 2024/9/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290121044
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血糖降下薬の種類が限られ,レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬もない時代,顕性蛋白尿を呈する糖尿病患者の推算糸球体濾過量(eGFR)低下速度は年間-10mL/min/1.73m2であった.その後,多くのエビデンスを背景に,厳格な血糖管理とRAS阻害薬を用いた降圧療法を含む集学的治療の有効性が確立され,この20年間でその低下速度は年間-5mL/min/1.73m2まで改善した.さらに近年,腎臓からのブドウ糖排泄を増加させ,血糖値を低下させることを目的に作られた糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬には,その血糖降下作用を超えた臓器保護効果が示された.その臓器保護のひとつが腎保護効果である.同薬剤を用いることで,顕性蛋白尿を呈する糖尿病患者のeGFR低下速度は,年間-2mL/min/1.73m2まで改善できることが示されており,SGLT2阻害薬は今,糖尿病関連腎臓病診療のgame changerとなりつつある.
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