特集 保存期慢性腎臓病と透析期のステージに応じた診療のポイント
[Chapter 3] 保存期CKD患者・透析患者への薬剤の使い方
腎保護薬としてのSGLT2阻害薬の使い方
阿部 雅紀
1
1日本大学 医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
キーワード:
SGLT2阻害薬
,
慢性腎臓病(CKD)
,
アルブミン尿
,
腎保護効果
,
推算糸球体濾過量(eGFR)
Keyword:
SGLT2阻害薬
,
慢性腎臓病(CKD)
,
アルブミン尿
,
腎保護効果
,
推算糸球体濾過量(eGFR)
pp.41-48
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_41
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▪SGLT2阻害薬は,糖尿病合併・非合併にかかわらず,CKD患者において腎保護効果を示すため,リスクとベネフィットを十分に勘案して積極的に使用を検討する.
▪糖尿病合併CKD患者の場合,アルブミン尿(蛋白尿),腎機能に関係なく腎保護効果が期待されるため,クリニカルエビデンスを有するSGLT2阻害薬の積極的な使用を考慮する.
▪糖尿病非合併CKD患者の場合,蛋白尿陽性のCKD(IgA腎症や巣状分節性糸球体硬化症など)には,原疾患の治療に加えてクリニカルエビデンスを有するSGLT2阻害薬の積極的な使用を考慮する.
▪SGLT2阻害薬を開始する場合のeGFRの下限値については定まったものはないが,15mL/分/1.73m2未満では新規に開始しないことが推奨されている.しかし,継続投与下でeGFRが15mL/分/1.73m2未満となった場合には,副作用に注意しながら継続することが可能である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023