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特集 SGLT2阻害薬を再考する――機序・効果・安全性の最新情報
SGLT2阻害薬と心筋保護
Mechanism of cardiac protection by SGLT2 inhibitors
室原 豊明
1
Toyoaki MUROHARA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
心不全
,
糖尿病
,
慢性腎臓病
,
SGLT2阻害薬
Keyword:
心不全
,
糖尿病
,
慢性腎臓病
,
SGLT2阻害薬
pp.1049-1053
発行日 2024年9月21日
Published Date 2024/9/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290121049
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SGLT2は,腎臓近位尿細管細胞に発現し,原尿から90%のグルコースとナトリウムを再吸収している.この阻害作用を持つSGLT2阻害薬は,尿中にグルコースを排泄させることで血中糖濃度を低下させ,当初,糖尿病治療薬として開発された.しかし,2型糖尿病患者を対象にした大規模臨床試験において,これらの薬剤は一貫して心不全による入院リスクを低下させた.また,ダパグリフロジンおよびエンパグリフロジンは,糖尿病の有無にかかわらず心不全を中心とした心血管イベントを改善することも示された.これまでに,さまざまな臨床・基礎研究により,SGLT2阻害薬の多面的な作用がその心不全抑制効果に寄与することが示されている.本稿では,それらをまとめてみた.
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