乳癌のサブタイプ分類

Breast cancer subtype classification

　臨床的サブタイプ分類は，因子（タンパクや遺伝子など）発現とそれに対する効果が期待できる治療とのセットで構成されている．一方，遺伝子発現プロファイル解析に基づく内因性サブタイプ分類は，腫瘍の多様性，およびどのようなシグナルに依存し，腫瘍が増殖・生存しているかをみてきた．従来の臨床的サブタイプ分類〔ホルモン受容体（HR）およびHER2発現を基にしたサブタイプ分類〕をベースに内因性サブタイプ分類を行うことで，予後や効果予測がより精緻になることが示されている．最近では，薬物療法の進歩とともに新しいバイオマーカーによるサブタイプ〔例：HER2低発現，エストロゲン受容体（ER）低発現，PD-L1陽性，gBRCA1/2陽性など〕も出現し，治療効果のみならずその臨床的意義も極めて重要である．