特集 乳癌の診断・治療
診断
乳癌
サブタイプ別浸潤癌の画像診断とその鑑別―病理診断
山口 倫
1
,
森田 道
2
,
赤司 桃子
3
,
田中 眞紀
4
1久留米大学医学部附属医療センター 病理診断科・臨床検査室
2長崎みなとメディカルセンター 乳腺・内分泌外科
3久留米大学医学部 病理学講座
4JCHO久留米総合病院 外科・乳腺外科
キーワード:
サブタイプ
,
乳癌病理
,
肉眼型
Keyword:
サブタイプ
,
乳癌病理
,
肉眼型
pp.449-456
発行日 2019年4月5日
Published Date 2019/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000819
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2000年頃,Perouらは網羅的遺伝子解析法による浸潤性乳癌の分類を提唱した。この分類はintrinsic subtype(本質的/内因性サブタイプ)と呼ばれる。それにより浸潤性乳癌はestorogen receptor(ER)陽性,ER陰性群に大別され,前者は主にluminal A/B,後者は主にHER2過剰発現群,basal-like群に分かれること,さらに各群の予後が異なることが明らかにされた1)2)。このintrinsic subtypeを代替する臨床的サブタイプ(luminal,HER2,triple negative:TN)は,治療に直結し臨床の現場に浸透している3)。臨床的サブタイプは病理標本を用いた免疫染色やin situ hybridazation法によって,ER/progesterone receptor(PR)/HER2発現の組み合わせから決定される。基本的にER陽性のluminalは内分泌治療,HER2陽性群は抗HER2療法が中心となり,ER/PR/HER2陰性のTNは内分泌治療や抗HER2療法の適応とならず,化学療法が主な治療法である。
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