検査法の基礎
HBs抗原サブタイプ
小林 万利子
1
1虎の門病院肝臓研究室
pp.1103-1107
発行日 1991年12月1日
Published Date 1991/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900887
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サマリー
HBs抗原サブタイプは,HBs抗原粒子上の共通抗原Re,aおよび抗原決定基であるd,y,w,rのいわゆるmutually exclusiveな関係から,基本的にはadr,adw,ayr,aywに分類されている1,2).このHBs抗原サブタイプにより世界の民族起源,民族移動などのエコロジーが考えられるほかに感染経路が推察されていたが,近年ELISA法による検出感度が向上し,adwr,adyrなどといった従来の4種以外のサブタイプも存在することが判明し,e抗原陰性化率および臨床学的に重要な意味を持つこととなった.今回は,この臨床的意義につきまとめてみた.
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