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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
リンパ管の形成と関連する病態
FOXC転写因子によるリンパ管形成制御機構
Mechanisms of FOXC-mediated lymphatic vessel development
久米 努
1
Tsutomu KUME
1
1Northwestern University Feinberg School of Medicine U.S.A.
1Northwestern University Feinberg School of Medicine U.S.A.
キーワード:
FOXC
,
リンパ管新生
,
リンパ管の弁
,
パラクラインシグナル因子
,
臓器特異的リンパ管
Keyword:
FOXC
,
リンパ管新生
,
リンパ管の弁
,
パラクラインシグナル因子
,
臓器特異的リンパ管
pp.1046-1049
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131046
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リンパ管は,脈管ネットワークの一部として血管から漏れた血漿と組織間液の過剰分を回収する役割を持っている.その機能からリンパ管は生体・組織の恒常性維持に必須であるとともに,多様な疾患・病態において既存のリンパ管からの新たなリンパ管の形成(リンパ管新生)が密接に関わることが知られている.リンパ管に関する研究は近年めざましい発展を遂げているが,リンパ管内皮細胞の増殖・遊走などの動態制御のメカニズム,特に転写制御の機序はいまだ不明な点が多い.また,近年の研究から臓器特異的なリンパ管の形成およびその機能に関する解明が進んでいるが,さまざまな疾患・病態と関連して臓器特異的リンパ管作用の分子基盤を明らかにすることが喫緊の課題である.本稿では,リンパ管におけるFOXC転写因子(FOXC1/FOXC2)の機能とその作用機序,特にリンパ管新生,リンパ管の弁形成,小腸リンパ管内皮細胞から分泌されるパラクラインシグナル因子による組織再生,シュレム管の形成と眼圧制御の過程に関するメカニズムについて,筆者らのグループの研究成果を含めて概説する.
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