特集 One step up 水・電解質・体液管理
【総論】
体液恒常性維持メカニズム
安達 崇之
1
,
柴垣 有吾
1
1聖マリアンナ医科大学 腎臓高血圧内科
キーワード:
恒常性
,
腎臓
,
体液量
,
ナトリウム(Na)濃度
,
カリウム(K)排泄
,
酸塩基平衡
Keyword:
恒常性
,
腎臓
,
体液量
,
ナトリウム(Na)濃度
,
カリウム(K)排泄
,
酸塩基平衡
pp.100-106
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102410
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恒常性(ホメオスタシス)とは,生物体が外部および内部環境の絶え間ない変化に応じて,その形態・機能的状態をある範囲内の安定な状態に保つ働きをいう.人間は毎日,摂食・飲水行動を行っている.これらの摂取量は個々の物質により異なるが,このような異なった摂取量であっても,人体では細胞が正常に活動していくために,細胞内外の環境を常に一定に維持する機構を有している.たとえば,塩を10g,水を2l,カリウムを100mEq摂取すれば,その同量の物質を排泄し,体液の恒常性を維持している.つまり,人体における電解質異常とは,水や電解質の摂取異常,排泄障害と考えることができる.この恒常性を維持する機構に重要な役割を担っているのが腎臓であり,主として自律神経系と内分泌系がその調節を担っている.
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