Japanese
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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
リンパ管の形成と関連する病態
リンパ管形成を制御するシグナル
Signals regulating lymphatic vascular formation
杉山 彰
1
,
平島 正則
1
Akira SUGIYAMA
1
,
Masanori HIRASHIMA
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科薬理学分野
キーワード:
リンパ管内皮細胞(LEC)
,
シグナル伝達
,
リンパ管発生
,
内皮細胞間接着
Keyword:
リンパ管内皮細胞(LEC)
,
シグナル伝達
,
リンパ管発生
,
内皮細胞間接着
pp.1042-1045
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131042
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リンパ管は余剰な間質液や免疫細胞,脂質など分子サイズの大きな物質を取り込むことで,体液恒常性維持,免疫監視,脂質吸収,異物の除去などの生理機能を担っている.胎生期のリンパ管は,頸静脈を構成する内皮細胞の一部がリンパ管内皮前駆細胞へ分化し,遊走・増殖しながら形成される.この過程で中心的な役割を担うシグナルは,血管内皮増殖因子受容体3(VEGFR3)系である.リンパ管内皮細胞(LEC)が遊走して全身にリンパ管網が分布して形成される過程では,血管由来因子からのシグナルが関与している.LEC間接着を制御するシグナルは,分子サイズの大きな物質の取り込み効率に大きな影響を与える.リンパ管形成を制御するシグナルに関する研究進展は,シグナル構成分子を標的とした疾患の新たな治療法の開発につながることが期待される.
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