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特集 ストレス応答の分子メカニズム――最新知見と臨床応用への展望
ストレス応答性シグナル伝達のユビキチン修飾を介した制御
Regulation of stress-induced signal transduction pathways through ubiquitination
徳永 文稔
1,2
Fuminori TOKUNAGA
1,2
1大阪公立大学大学院医学研究科医化学
2同創薬科学研究所
キーワード:
ストレス応答
,
ユビキチン
,
シグナル伝達
,
炎症
,
生老病死
Keyword:
ストレス応答
,
ユビキチン
,
シグナル伝達
,
炎症
,
生老病死
pp.574-579
発行日 2025年5月17日
Published Date 2025/5/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293070574
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生老病死は人間にとって免れない四苦であり,個体のみならず細胞や分子レベルでも四苦の影響を受け,それぞれの一生を終える.ヒトは出生に伴い21%酸素下で呼吸をはじめるが,これとともに低酸素や活性酸素種(ROS)などのストレスに曝される.また,老化に伴うタンパク質分解能の低下は神経変性疾患のリスク因子であり,折り畳み異常タンパク質が神経細胞内に封入体を形成し,タンパク質毒性(プロテイノパチー)を発揮する.細菌やウイルスなどの病原体は古来よりヒトの生存を脅かす主因であり,自然・獲得免疫や炎症応答,インターフェロン産生など多様な対抗措置が構築されている.この過程では,特有の細胞死が誘導されることがある.ユビキチン修飾は最も基本的な翻訳後修飾のひとつで,真核生物に重要なほぼすべての細胞機能制御に関わる.本稿では,生老病死に関連する代表的なストレス応答性シグナル伝達のユビキチン修飾による制御機構について概説する.

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