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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管の臓器・疾患特異性とその変容の制御機構
低酸素シグナルによる心血管リモデリング
The roles of Hypoxic Signaling in the cardiovascular remodeling
砂河 孝行
1,2
,
武田 憲彦
2,3
Takayuki ISAGAWA
1,2
,
Norihiko TAKEDA
2,3
1自治医科大学データサイエンスセンター
2同大学分子病態治療研究センター循環病態代謝学研究部
3東京大学医学部循環器内科
キーワード:
低酸素応答システム
,
低酸素誘導性転写因子(HIF)
,
心血管リモデリング
Keyword:
低酸素応答システム
,
低酸素誘導性転写因子(HIF)
,
心血管リモデリング
pp.1036-1040
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131036
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酸素は生物の生存に不可欠であるが,生体内局所における酸素分圧は常に変動する.そのため,細胞はさまざまな機構を用いて応答・適応する.近年,種々の疾患において細胞の低酸素応答の異常や破綻が病態成立の過程に深く関わっていることが明らかとなっており,生体の低酸素応答制御機構の詳細な理解が求められる.酸素分圧の変化は細胞機能や代謝に影響を与える一方で,低酸素応答システムを駆動させる.低酸素応答システムがどのように活性化されるのか,その分子メカニズムはこれまで詳細な研究が進められており,また薬物による治療標的となるなど,その重要性が認識されている.本稿では,心血管病態における低酸素誘導性転写因子(HIF)を中心とした低酸素シグナルの役割についての知見を紹介するとともに,心血管リモデリングにおけるHIF機能について概説する.
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