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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管の臓器・疾患特異性とその変容の制御機構
血管狭窄時の内皮間葉転換の役割
Endothelial-to-mesenchymal transition in vessel stenosis
山城 義人
1
Yoshito YAMASHIRO
1
1国立循環器病研究センター 先端医療技術開発部
キーワード:
頸動脈結紮モデル
,
内皮間葉転換(EndMT)
,
細胞間接着
,
血管リモデリング
,
低酸素応答
Keyword:
頸動脈結紮モデル
,
内皮間葉転換(EndMT)
,
細胞間接着
,
血管リモデリング
,
低酸素応答
pp.1030-1035
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131030
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近年,血管内皮細胞が血管平滑筋細胞や線維芽細胞のような非上皮の間葉系細胞に分化転換する際,内皮間葉転換(EndMT)が血管狭窄や動脈硬化などの循環器病発症の引き金となることが報告されている.本稿ではまず,血管壁を構成する細胞とその役割,特徴,EndMTのプロセスを概説する.次に,頸動脈結紮モデルを用いた実験系において,血管狭窄の原因となる新生内膜(NI)を構成する細胞群(NI細胞)が内皮細胞由来であることを証明した事例を紹介する.また,ヒト大動脈から単離した初代培養細胞を用いて,低酸素によって誘導されるEndMT分子機構の詳細について解説する.最後に,血管狭窄におけるEndMTの役割,治療法への応用や未解決な問題点について言及し,今後の研究課題を議論する.
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