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特集 骨格筋の再生・維持・適応メカニズムの新知見――最先端研究がもたらしたパラダイムシフト
非再生性の筋形成メカニズムと筋制御因子の役割
Non-regenerative myogenic mechanisms and regulatory factors
岩森 歌奈子
1
,
深田 宗一朗
1
Kanako IWAMORI
1
,
So-ichiro FUKADA
1
1大阪大学大学院薬学研究科再生適応学分野
キーワード:
筋サテライト細胞(MuSC)
,
筋再生
,
筋肥大
,
筋萎縮
Keyword:
筋サテライト細胞(MuSC)
,
筋再生
,
筋肥大
,
筋萎縮
pp.746-750
発行日 2024年6月8日
Published Date 2024/6/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289100746
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骨格筋の再生過程における筋サテライト細胞(MuSC)の活性化,増殖,分化機構はこれまでよく研究されており,in vitroでも多核細胞である筋管形成までは再現できる.そのため,広く認知されている “筋分化モデル” は再生・培養系の成果を基盤としている.一方で,MuSCが物理的な刺激に応答して活性化,増殖,分化する肥大筋においては,この従来の “筋分化モデル” とは異なる様式でMuSCは増殖していることを筆者らは明らかにしてきた.また,“筋分化モデル” の鍵となる筋制御因子であるmyogenin,Mef2はMuSCの分化・融合に必須であることが知られているが,成熟した筋線維内では筋萎縮や筋肥大に関わることが近年注目を集めている.このように,再生研究を中心に解明が進んできた筋形成・筋制御因子が,筋肥大・萎縮においては別のメカニズム・機能を有していることが明らかになってきた.本稿では,非再生性の筋形成メカニズムと,再生とは異なる筋制御因子の働きについて概説する.
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