今月の主題 アスベストと中皮腫
総論
中皮腫の病態
藤原 正親
1
,
菅間 博
1
,
大塚 弘毅
2
Masachika FUJIWARA
1
,
Hiroshi KAMMA
1
,
Kouki OHTSUKA
2
1杏林大学医学部病理学
2杏林大学医学部臨床検査医学
キーワード:
中皮腫
,
組織分類
,
組織発生
,
腫瘍の進展
Keyword:
中皮腫
,
組織分類
,
組織発生
,
腫瘍の進展
pp.968-972
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101687
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戦後のアスベスト使用量の推移と関連して,日本国内でも中皮腫患者は増加している.中皮腫の基本的な組織型は上皮型,肉腫型,二相型で,WHOではこれらに臨床的に進行が速い線維形成型を加えて4型に分類している.中皮腫のほとんどは胸膜原発であるが,腹膜,心囊,精巣鞘膜に発生するものもある.中皮腫の初期病変として異型中皮過形成やmesothelioma in situなどが想定されている.また,限局性病変を形成する中皮由来の腫瘍がびまん性に進展していく可能性もある.進行した中皮腫は体腔を充填し,さらに隣接する体腔への進展や血行性・リンパ行性転移をきたす.
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