病気のはなし
中皮腫
樋野 興夫
1
1順天堂大学医学部病理・腫瘍学
pp.100-104
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101156
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サマリー
アスベストにより誘発される中皮腫は,曝露から発症までの潜伏期間が35年前後と長く,いったん発症したら治療が難しいため,早期発見・早期治療が重要である.しかし,現在一般に用いられている診断法は,断層撮影(CTスキャン)あるいは生検材料による診断で,検出されたときには既に進行していることが多い.簡便で繰り返し検査が可能な中皮腫の血液測定キットは,アスベスト曝露群に対する1次スクリーニング法として有用である.この1次スクリーニング法に高精度化した診断を2次スクリーニングとして加えれば,アスベスト曝露群から早期の中皮腫患者を効率的・高精度に発見する総合的中皮腫早期診断システムを構築することが可能となると考える.
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