Japanese
English
連載 臨床医のための微生物学講座・Vol.9
クラミジア
Chlamydia
宮下 修行
1
,
尾形 誠
1
,
福田 直樹
1
Naoyuki MIYASHITA
1
,
Makoto OGATA
1
,
Naoki FUKUDA
1
1関西医科大学内科学第一講座呼吸器感染症・アレルギー科
キーワード:
オウム病
,
肺炎クラミジア
,
クラミジア・トラコマチス
Keyword:
オウム病
,
肺炎クラミジア
,
クラミジア・トラコマチス
pp.209-213
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28903209
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◎クラミジアとは,RNAとDNAを保有するが純培養系では増殖できず,生きた動物細胞内でのみ増殖可能な一群の偏性細胞寄生性細菌の俗名である.宿主である真核細胞の菌体取り込み胞(封入体)内で独特の機能的・形態的変換,すなわち基本小体(EB)の網様体(RB)への変換,RBの二分裂増殖,EBへの成熟変換,宿主細胞外放出という特異なサイクルを通じて増殖する.ヒトに感染症を引き起こすクラミジアは3種類で,肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)とオウム病病原体(Chlamydia psittaci)は呼吸器感染症を,クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)は性行為感染症を引き起こす.肺炎クラミジアとクラミジア・トラコマチスは症状が軽微または無症状であることが特徴で,持続感染が成立する.この持続感染がさまざまな慢性炎症性疾患の原因となることが指摘されている.
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