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特集 ニューロエコノミクス(神経経済学)とは何か?――ヒトの価値観が生まれる脳の仕組みの理解とその先の未来
単一行動の神経経済学
-――サルの神経・分子基盤
Neuroeconomics of single-option decisions
――A focus on monkey neural and molecular mechanisms
堀 由紀子
1
,
南本 敬史
2
Yukiko HORI
1
,
Takafumi MINAMIMOTO
2
1量子科学技術研究開発機構脳機能イメージング研究センターシステム神経回路研究グループ研究員
2同グループリーダー
キーワード:
意欲
,
報酬価値
,
サル
,
ドーパミン
,
セロトニン
Keyword:
意欲
,
報酬価値
,
サル
,
ドーパミン
,
セロトニン
pp.136-140
発行日 2024年4月13日
Published Date 2024/4/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28902136
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神経経済学では,一般的に複数の選択肢が存在する状況での意思決定メカニズムが扱われてきた.しかし,日常生活ではしばしば目の前の課題や行動に対する “する” か “しない” かといった判断が求められる.本稿ではこのような単一行動を実行するかどうかの判断に焦点を当て,サルをモデルとして,行動が報酬など外部変数と内部状態によってどのように説明できるかについて概説する.また,サルの単一行動の判断に関する多角的な神経科学研究を紹介し,その神経・分子基盤について統一的な見解を提供する.これらの知見は複数選択肢の状況でのヒト神経経済学での理解とも一貫しており,動機づけやうつ症状などの病態を含んだ神経基盤の統一した理解を発展させることが期待できる.
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