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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学とシングルセル解析
1細胞解像度の細胞アイデンティティの定量とシミュレーション
Quantification and simulation of the cell identity at single-cell resolution
神元 健児
1
Kenji KAMIMOTO
1
1Washington University School of Medicine in St. Louis, Department of Developmental Biology
1Washington University School of Medicine in St. Louis, Department of Developmental Biology
キーワード:
モデリング
,
シミュレーション
,
遺伝子制御ネットワーク
Keyword:
モデリング
,
シミュレーション
,
遺伝子制御ネットワーク
pp.1175-1181
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131175
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われわれの体はさまざまな細胞種から構成されているが,細胞は生命の機能と構成の基本単位である.1細胞解像度で細胞の性質を測定できるシングルセル解析は,複雑な体組織の発生過程や病気の進行過程で細胞のアイデンティティが確立され,変化していくメカニズムを研究するのに不可欠な技術となってきている.近年ますます発展するシングルセル実験技術の発達によって,より多様で大量のデータ取得が可能になり,それに伴いデータ解析の複雑さや可能な解析の種類が増すにつれ,シングルセルデータによる細胞アイデンティティの解析は多様化し,その定義や解析手法も複雑化している.本稿ではまず細胞アイデンティティ解析について歴史,定義,一般的な解析を概観しつつ,筆者らが近年発表したシングルセルオミクスデータを統合して遺伝子制御メカニズムのモデル化や遺伝子機能の予測を行う手法であるCellOracleについて,その手法,特色,設計の狙いなどに焦点を当てて紹介する.
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