Japanese
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臨床報告
肝切除シミュレーションによる肝静脈ドレナージ領域確認が切除範囲決定に有用であったS7肝細胞癌の1例
3D hepatectomy simulation is useful in the preservation of the drainage area of the hepatic vein during hepatectomy:a report of a case of hepatocellular carcinoma
杉本 貴昭
1
,
山中 潤一
1
,
平野 公通
1
,
斉藤 慎一
1
,
中井 紀博
1
,
藤元 治朗
1
Takaaki SUGIMOTO
1
1兵庫医科大学大学院医学研究科外科学
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
シミュレーション
Keyword:
肝細胞癌
,
肝切除
,
シミュレーション
pp.1441-1445
発行日 2009年10月20日
Published Date 2009/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102734
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はじめに
肝切除は,肝癌に対する標準治療法の1つとして広く認識されている.肝細胞癌が右肝静脈付近に存在する場合,右肝静脈切除を含めた肝切除を検討する必要がある.
従来,肝内の静脈間には交通がみられるため,主肝静脈を結紮切離してうっ血があっても臨床的にあまり問題はないとされてきた1).しかし,肝移植におけるグラフト肝や肝切除後の残肝の肝静脈うっ血は残肝再生を障害し,うっ血領域は萎縮することが報告され2,3),残肝容積のみならず,うっ血領域の予測が術後の機能的残肝容積評価に重要と考えられている.
今回筆者らは,術前肝切除シミュレーションによる肝静脈ドレナージ領域の確認が切除範囲決定に有用であったS7肝細胞癌の1例を経験したので報告する.
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