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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学と疾患オミクス研究
自己免疫疾患の多層的オミクス解析
Multi-omics analysis of autoimmune diseases
太田 峰人
1
Mineto OTA
1
1Department of Genetics,Stanford University,東京大学大学院医学系研究科アレルギー・リウマチ内科
キーワード:
ゲノム
,
エピゲノム
,
RNA-seq
,
eQTL解析
,
B細胞受容体
Keyword:
ゲノム
,
エピゲノム
,
RNA-seq
,
eQTL解析
,
B細胞受容体
pp.1143-1147
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131143
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自己免疫疾患は,疾患内の多様性が大きいことを特徴のひとつとする.ゲノムワイド関連解析は疾患発症に関わる遺伝的多型を多数同定することに成功してきたが,疾患をひとまとめにした解析では疾患内の多様性についての理解は限定的となる.疾患発症に関わる遺伝的多型の機能を理解したり,患者内の多様性の分子メカニズムを理解したりするには,大規模患者群から複数の層のデータを取得し,臨床情報を含めたデータ間の関連を解析する多層的オミクス解析が有用である.筆者らは自己免疫疾患患者を対象とした多層的オミクスデータベースを作成し,解析することで,疾患状態における遺伝的多型の機能を明らかにするとともに,疾患活動性などの臨床情報を遺伝子発現やB細胞受容体配列といった分子的な特徴と関連づけることが可能となることを報告してきた.ゲノム配列に加えさまざまな層の情報を重ねていくことで,自己免疫疾患の病態理解が深まることが期待される.
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