Japanese
English
第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
各論
【代謝内分泌疾患】
高尿酸血症・痛風のゲノム医科学の進展
The advance in medical genetics of hyperuricemia/gout
河村 優輔
1
,
前原 一輝
1
,
桐原 真奈
1
,
松尾 洋孝
1
Yusuke KAWAMURA
1
,
Kazuki MAEHARA
1
,
Mana KIRIHARA
1
,
Hirotaka MATSUO
1
1防衛医科大学校分子生体制御学講座
キーワード:
高尿酸血症
,
痛風
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
ABCG2/BCRP
Keyword:
高尿酸血症
,
痛風
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
ABCG2/BCRP
pp.390-398
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805390
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
近年の分子遺伝疫学的解析により,高尿酸血症・痛風には遺伝要因が強く影響することがわかってきた.筆者らのグループは機能・局在解析などと合わせ,新規の尿酸トランスポーターを複数個報告してきただけでなく,臨床診断された痛風患者を対象とした痛風のゲノムワイド関連解析(GWAS)から,痛風関連遺伝子座を数多く同定してきた.さらに “高尿酸血症患者の一部のみが痛風発作を起こす” ことに注目し,尿酸値が正常な人が痛風発作を起こすまでの過程を,尿酸値が上昇するも痛風発作を起こしていない1st Stepと,無症候性高尿酸血症(AHUA)の患者が自然免疫機序などにより痛風発作を起こす2nd Stepに分け,後者を中心にしたGWASなどの解析も合わせて進めている.これらの研究成果により,痛風発症の分子メカニズムの解明だけでなく,痛風や高尿酸血症患者のゲノム個別化医療・予防や先制医療への貢献を目指している.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.