特集 薬物療法マニュアル
Ⅶ.併存病態の理解と薬物療法
7.内分泌・代謝疾患
痛風,高尿酸血症
谷口 敦夫
1
Atsuo TANIGUCHI
1
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター
pp.510-511
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903935
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基本的な事項
痛風は高尿酸血症が長期間持続し,析出した尿酸・尿酸塩が原因となって急性関節炎や腎障害などを生じる疾患であり,生活習慣病のひとつとして位置づけることができる.適切な治療が行われないと関節炎は次第に頻発・慢性化し,関節破壊も生じる.さらに腎障害も進行し,腎不全・尿毒症に至る.しかし,これらは適切な薬物療法により回避可能である.また,基礎療法としての日常生活指導も重要である.
痛風の基盤である高尿酸血症は血清尿酸値7.0mg/dl以上と定義される.また,高尿酸血症のなかで痛風性関節炎の既往のない場合を無症候性高尿酸血症という.遺伝的素因に過食,肥満,アルコール摂取,過度の運動などの環境要因が加わり,尿酸産生が過剰になったり,腎臓からの尿酸排泄が低下すると高尿酸血症が起こる.薬物により二次的に生じる場合もある.
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